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レントゲン検査の豆知識【撮影条件】

カメラで何か物を撮る際は、シャッタースピードやISO感度、絞り値を設定し、写真を撮るそうです。

では、レントゲン写真を撮る、とよく言いますが具体的にレントゲン写真の時はどんなことを設定するのでしょうか。

設定するもの(撮影条件)

結論から言うと、主に以下の設定しています。また、これを撮影条件ともいいます。

これを、肺や膝関節や頭部などの撮る部位によって変えています。

エックス線の発生原理について

まず本題に入る前に、エックス線の発生原理について簡単に触れます。

かなりざっくりとした説明なので、詳しくはこちらの環境省のHPへ

https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h29kisoshiryo/h29kiso-01-03-04.html

つまり、エックス線の発生には電圧と電流が関わっているということになります。

電圧について

医療機器界隈では、エックス線が発生する装置のことを、エックス線管球やただ単に管球といいます。

また、管球の電圧ということで、管電圧と呼んでいます。また、この管電圧はエックス線の透過力を示します。

エックス線の特徴として、物質を透過する透過力がありますが、管電圧が大きいほど物体をよく通り抜けます。

電流について

こちらも管球の電流ということで、管電流といいます。

まず、電流を簡単に説明すると1秒あたりに流れる電荷のことを言います。

電流は電気回路において、電子の流れの逆向き…と聞いたことがあるかもしれません。この場合、電子の数が増えると電流も大きくなります。

ここで、もう一度エックス線の発生原理を見てみましょう。

電子が陽極の原子核に引き寄せられて、進行方向が変えられた時にエックス線が発生する…ということは、その電子の数が増えればエックス線の量も増えそうですよね。

つまり、管電流が大きいほどエックス線の発生する量が多くなります

撮影時間について

エックス線が照射される時間になります。よって、撮影時間が長いほどエックス線の量が増えます

電流は1秒あたりに流れる電荷と説明しましたが、この管電流に撮影時間の秒数を掛け合わせるとエックス線の量が求まります。

電流の単位はmA(ミリアンペア)で、時間の単位はs(second)となっており、この管電流と時間を掛け合わせた値をmAs値と言います。

式にすると以下の通りです。

mAs値 = 管電流(mA) × 撮影時間(s)

mAs値について

例えば、小さい子供のレントゲンを撮る際に1 mAs必要だとします。

では、管電流と撮影時間をどう設定するのでしょうか?

1 mAsの場合、例えば次のような設定が考えられますね。

ここで、小さい子供のレントゲン写真を撮ることを考えてみます。

小さい子供は、動くことが多いので、ブレを抑えるために100mA × 0.01 sのような、撮影時間を短くし、かつ管電流を大きくしてmAs値を設定します。

一方、AEC(自動露出機構)というものがエックス線を受け取る側にあります。

これは、適切なエックス線の量を感知すると、フォトタイマという制御装置が動作してエックス線の発生を自動で止めます。つまり、自動で撮影時間を調整してくれています。

身体の厚みによって、必要なエックスの量が異なるので(厚みがあるほどエックス線の量を要する)、この撮影時間の調整によって、適切な量のエックス線が照射されています。

最後に

いかがでしたでしょうか。

今回は、レントゲン写真を撮る際の主な撮影条件について書きました。

ただ今回紹介できませんでしたが、実は他にもレントゲン写真が作られるための因子がいくつかあります。

例えば、エックス線が発生する場所から、エックス線が当たる身体の表面までの距離がその一つです。

レントゲン写真を撮る際は、主に陰影の拡大やボケ(半影)を考慮して距離が設定されます。

特に胸部レントゲン写真は、心臓の影の拡大によって肺が見える領域に死角ができるので、それを少なくする為に焦点(エックスが発生するところ)と撮影される方との間に2 mほど距離を置きます。

また、距離ということでしたが、エックス線の量は、距離の2乗に反比例するということも知られています。

つまり、エックス線が発生している場所から距離をおけばおくほど、エックス線の量は減ります。

もし放射能が漏れたとなった場合、汚染された地域から避難しますが、距離をとることで放射線の線量が減り、被ばくが低減できるからです。

また、カメラには絞りがありますが、実は管球にも絞りがついています。

これは、見たい部位によっては絞りを使うことで被ばくの低減に繋がります。(他にもメリットがありますが)

レントゲン写真って謎が多いですよね。少しでも参考になればうれしいです。

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